都内OLべらこの日記

書きたいことをつらつらと書きます_✍ 

雨女とビニール傘

もう5月も終わりですね…早いなあ。

もう半袖でも過ごせるくらいなのに、春を満喫した気がしないのはコロナのせいか…自分のせいか…。

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ちなみに私は今、絶賛就活中です…。

突然の就活氷河期だとか言われていますが、可哀想だと言う大人はたくさんいても、助けようと動く大人は少ない。

結局は自分ができることを頑張るしかない現状。

まあ、社会なんてそんなもんですよね。良い勉強になります。

 

と、そんな話はさておき、先日、最終面接を受けてきました。

ちなみに今から書くのは、面接が上手くいったとか、ダメだったとかそんな話ではないです。

ちょっと心が暖かくなる話です。少なくとも私はホカホカしました(笑)

 

話を戻しますが、面接を受けに行った私は、

無事に面接を終えて、会社のエントランスを出ました。

受かったのだろうか、ダメだったのだろうか、、、などと面接の受け答えを思い返しながら帰りの駅へ向かおうとしていると、

 

…ポツポツ

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雨が降ってきました。

「はあ…」と思わずため息が出ました。

小さい頃から、大事な日に雨が降りがちな雨女の私。

最終面接の後に雨が降るなんて、何だか気分が下がります。

悲しいことに、傘を忘れてしまった私は、さらにどんよりした気分で電車に乗りました。

 

最寄駅から家までは15分ほどかかります。

もう濡れながら帰るしかないか…と思いながら駅を出て歩き出しました。

歩き出すと雨足はさらに強くなり、スーツは濡れるしパンプスも濡れるし…

面接終わりくらい堂々と歩かせてくれよと思いながら、少し前のめりに早足で歩いていました。

 

見慣れた路地をびしょ濡れのスーツで歩いていると、散髪屋のおじさんが声をかけてきました。

「傘持っていきな!」

全く面識はないし、そこで髪を切ったことがあるわけでもありません。

おじさんは無造作に、でも優しい笑みでビニール傘を渡してくれました。

「ありがとうございます!」とお礼を言って受け取ったそのビニール傘は、

取手のシールが少しはげていて、傘をたたむバンドは輪ゴムで代用してありました。

決して綺麗な傘ではないけれど、その時の私には、どんな傘より強い傘に思えました。

 

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“面接終わりに雨でびしょ濡れになって、ついてない日”だと思っていた数分前とは一転、

“面接も無事に終わって、優しい散髪屋のおじさんが傘を渡してくれる良いことがあった日”に私の中でアップデートされました。

 

私たちが大人になるにつれて、lotやAI化が進み、人間の必要性が問われる時代になってきています。

人間にしかできないことって、おじさんがしてくれたような、“濡れている人に傘をさし出してあげること” なんじゃないかと思うんです。

そして傘を渡された人は、“優しくて温かい気持ち”になる。

このホカホカとした気持ちは、人間ならではだと思います。

そして、小さい頃は、こんな気持ちになる瞬間や、この気持ちを与える行動が多かった気がします。

 

道端で見つけたかわいい花を母に持って帰っていたあの頃。

持って帰った理由は、“お母さんが喜ぶから”だったはず。

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利益や損得ばかりを考えてない?

自分のことばかりになってない?

 

アニメ映画『魔女の宅急便』でも有名な、松任谷由美さんの「やさしさに包まれたなら」の歌詞にはこうあります。

 

小さい頃は神さまがいて

毎日愛を届けてくれた

心の奥にしまい忘れた

大切な箱 ひらくときは今

 

 

小さい頃に受け取っていた当たり前の愛情。

大人になるとあまり感じなくなってしまう。

 

人間って薄情な生き物ですよね。

そう、最初に書いたように、「可哀想だ」と口にしても、助けようと行動する人は少ないんです。

それでも、この日出会ったおじさんのように、“やさしさ”に包んでくれる大人もいます。

 

そういう“やさしさ“をくれる大人たち、

小さい頃愛情を注いでくれた両親、

“ホカホカ”した気持ちを届け、与えてくれる人たち、

そんな人たちのためなら、社会を良くするお手伝いをしてもいいなあ、、、

なんて、少しだけ、就活の、そして人生のモチベーションが上がりました。

 

そんな、雨の日の就活生の独り言です。

 

 

ちょっとだけ、雨女でも良かったと思わせてくれたおじさんへ

「傘をさし出してくれてありがとう」